涼しくなってランニングを始める時|距離より先に足の着き方を見る
朝晩が涼しくなってくると、「走ってみようかな」という気持ちが動き出します。シューズを買い、コースを調べ、まずは3km。ところが始めて2〜3週間で、膝やすね、足裏のどこかが痛くなってやめてしまう。ランニングを始めた人の多くがつまずく、定番の流れです。
現場でも、秋にランニングを始めて脚の違和感を訴える方は毎年います。話を聞くと、距離や頻度の計画は立てていても、「自分がどう着地しているか」を気にしたことがない方がほとんどです。
ランニングは、体重の数倍の力を片脚で受け止める動作の繰り返しです。どこにどう着地するかで、負荷のかかる場所が変わります。距離を伸ばす前に、まず足の着き方に目を向ける。それがけがを避けて長く続けるための入り口になります。
この記事では、走り始めの時期に見ておきたい着地と体の使い方を整理します。
着地に「唯一の正解」はない
かかとから着く走り方(ヒールストライク)と、足の中間〜前側で着く走り方(ミッドフット・フォアフット)。どちらが正しいかは長く議論されてきましたが、研究の整理では、着き方によって膝や足首など負荷のかかる部位が変わることが示されている一方、万人にとって優れた唯一の着地が定まっているわけではありません。
大切なのは「どこで着くか」を無理に矯正することより、体の真下に近い位置で、静かに着地できているかです。着地音が大きい、ブレーキがかかる感覚がある、特定の場所ばかり痛くなる。これらが見直しのサインになります。
距離より先に見る3つのポイント
1. 着地の位置:体の真下に近く
歩幅を広げて前方に足を投げ出すと、かかとに強いブレーキがかかります。歩幅をやや狭く、足が体の真下近くに降りる意識にすると、着地は自然と静かになります。テンポをやや速く刻むのがコツです。
2. 音:足音を小さくする
フォームの細部を考えるより、「足音を小さく走る」という一つの意識がまとめて機能します。音が小さい着地は、衝撃がうまく分散されている着地です。
3. 段階:歩き混じりから始める
最初の2〜4週間は「走る+歩く」を交互に。体が着地の衝撃に慣れる期間を作ってから距離を伸ばすと、すね・膝のトラブルが起きにくくなります。
姿勢や動きのクセは自分では気づきにくいものです。クセを一緒に確認しながら整えていく進め方はサービス内容にまとめています。
読み違えやすいポイント
- 「フォアフットが正しい」など着地の型を無理に矯正しない。合う着き方は人によって違う
- 初日から距離目標で走らない。最初の数週間は慣らし期間
- シューズだけで解決しようとしない。着き方と段階の方が先
- 走ると痛みが繰り返す場合は、我慢して続けず医療機関へ相談する
よくある質問
Q. 週何回から始めれば良いですか?
A. 週2〜3回、1日おき以上の間隔を空けるのがおすすめです。連日走ると、着地の衝撃への適応が追いつかず、すねや足裏のトラブルにつながりやすくなります。
Q. 筋トレと並行した方が良いですか?
A. 並行できると理想的です。特にスクワットなど下半身の種目は、着地を受け止める筋力の土台になります。走る日と分けて週1〜2回で十分です。
Q. 走る前のストレッチは必要ですか?
A. 静的ストレッチを長くやるより、早歩き数分と足首・股関節を軽く動かす程度で走り出す方が実用的です。丁寧に伸ばすのは走った後に回します。
まとめ
- 着地には唯一の正解がなく、着き方で負荷のかかる部位が変わる
- 「体の真下に近く・静かに」着けているかがフォームより先のチェック点
- 足音を小さくする意識と、歩き混じりの慣らし期間でけがを防ぐ
- 痛みが繰り返す場合は医療機関へ相談する
まずは一つ、次に走る日は「足音を小さく」だけ意識して走ってみてください。
自分のクセを知りたい方へ
姿勢や動きのクセは自分では気づきにくいものです。オンライン(全国対応)または横浜駅周辺の対面で受けられます。まずはLINEの友だち追加で無料姿勢チェックを受け、進め方をご相談いただけます。いきなりの契約や勧誘はありません。
あわせて読みたい記事
参考文献・参考資料
- Effects of running technique characteristics on the patellofemoral joint load: A systematic review and meta-analysis: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41240722/
- 身体活動・運動の推進(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html


