健康診断前の食事は何日前から気にするか|前日と数日前でやることを分ける
健康診断前の食事は、数日前から特別なことをするより、前日の夜から当日にかけての指示を守ることが中心になります。数日前は、普段どおりで構いません。
見直しの目安
健診の1週間前から食事を減らしている / 前日の夕食の時間を気にしたことがない / 当日の朝に何を飲んでいいか毎年迷う / 健診が終わると食事が元に戻る
セルフチェック
健診の案内に書かれた「最後の食事の時刻」と、採血の予定時刻を、今すぐ言えるか
今日の一歩
健診の案内を出して、前日の食事の締切時刻をスマホの予定に入れる
健診の1週間前から、急に野菜が増える人がいます。お酒をやめ、揚げ物を避け、夕食を軽くする。そして健診が終わったその夜に、元の食事へ戻っていく。
この1週間の努力は、健診の目的とは少しずれています。知りたいのは普段の体の状態で、1週間だけ整えた体の状態ではないからです。その一方で、前日の夜から当日にかけては、守らないと検査そのものが正しく行えなくなる決まりがあります。
あらかじめお断りしておくと、食事や飲み物の指示は、受診する健診機関のものが最優先です。持病のある方、薬を飲んでいる方は、主治医の指示に従ってください。そのうえで、前日と数日前とでは、やることがまるで違います。
まず結論
- 前日の夜〜当日:絶食の時間、飲み物、飲酒の指示を守る。ここは検査の前提条件
- 数日前〜1週間前:普段どおりでいい。直前だけの食事制限は、健診の目的に合わない
- 極端な糖質制限や断食を、健診に合わせて始めない
前日の夜から当日に決まっていること
1. 絶食の時間
血糖と中性脂肪は、食事の影響を直接受けます。特定健診では、10時間以上食事をとっていない状態の血糖を「空腹時血糖」として判定するのが原則とされています。朝9時に採血なら、前日の夜11時より前に食事を終えておく計算です。実際の締切時刻は健診機関ごとに指定があるので、案内の時刻に合わせてください。
なお、食後3.5時間以上たっていれば、空腹時でなくても同等に判定する扱いも定められています。午後の健診で「朝食は軽く、何時までに」と指示されるのはこのためです。自分で都合よく解釈せず、案内に書かれた時刻を守るのがいちばん確実です。
2. 水・お茶・コーヒー
水は飲めることが多いものの、量や時刻に指定がある場合があります。糖分やミルクの入った飲み物は、食事と同じ扱いになります。お茶やブラックコーヒーの可否は機関によって分かれるので、案内に書かれていなければ問い合わせてください。胃の検査がある日は、飲み物の制限が加わることがあります。
3. 前日の飲酒
飲酒によって中性脂肪が増えることは、よく見られる現象とされています。肝機能の項目の一つであるγ-GTPも、飲酒量が多い時に上がることが知られています。前日の飲酒を控えるよう案内している健診機関が多いのは、こうした理由からです。
ここでも、数値を良く見せるために何日も前から禁酒する、という使い方は目的から外れます。普段から飲む人が普段どおりの状態で受け、前日だけ指示に従う。それが、自分の体の現在地を知るための受け方です。
食事だけで調整しようとすると続きにくいこともあります。食事と運動をあわせて整える進め方はサービス内容にまとめています。
数日前から気にしてよいこと、気にしなくてよいこと
1. 直前だけの食事制限はいらない
健診の数値は、この先の食事や運動を決めるための材料です。1週間だけ整えた数値を見ても、判断を誤るだけになります。引っかかる項目があるなら、今のうちに引っかかっておく方が得です。
2. 極端なことを始めない
糖質をほとんど抜く、1日1食にする、断食をする。健診の直前にこうした方法を始めると、体重は落ちても、普段とかけ離れた状態で検査を受けることになります。食事を大きく変えたいなら、健診が終わってから、結果を見て決める順番が合理的です。
3. 気にしてよいのは、前日の夕食の中身と時刻
前日の夕食は、締切時刻より前に、いつもの量で。脂っこい食事や大量の食事を遅い時間にとると、翌朝まで影響が残ることがあります。特別なメニューにする必要はなく、いつもより少し早く、いつもどおりの内容で済ませれば十分です。
読み違えやすいポイント
- 長く絶食するほど正確になるわけではない。指定より極端に長い絶食は、体調を崩すもとになる
- 海外では、脂質の検査は空腹でなくても評価できるという専門学会の合意も出ている。ただし日本の健診は判定の基準が空腹時を前提に組まれているので、指示どおりに受ける
- 前日に食べすぎてしまっても、自己判断で数値を言い訳にしない。気になる場合は問診で伝える
- 健診前の運動にも注意点がある。こちらは健康診断の前日に運動していいかの記事にまとめた
よくある質問
Q. 前日の夕食は、何時までに食べればいいですか?
A. 健診機関の案内にある時刻が答えです。指定がない場合は、採血の10時間以上前に食べ終えるのが一つの目安になります。朝9時の採血なら、前日の夜9時から10時頃までに済ませておくと余裕があります。
Q. 当日の朝、水は飲んでいいですか?
A. 多くの場合は飲めますが、量と時刻の指定を確認してください。胃の検査がある日は、当日の飲水を制限する機関もあります。
Q. 前日に食べすぎました。延期した方がいいですか?
A. 絶食の時間を守れていれば、受診して構わないことがほとんどです。締切時刻を過ぎて食べてしまった場合は、自己判断せず、健診機関に連絡して指示を受けてください。検査の一部を別の日に回す対応になることもあります。
まとめ
- 守るのは、前日の夜から当日の指示。絶食の時間、飲み物、飲酒
- 数日前からの特別な食事制限はいらない。普段の状態で受けるのが健診の目的
- 迷ったら、健診機関の案内と問い合わせが最優先
まず健診の案内を出して、前日の食事の締切時刻を確かめてください。
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参考文献・参考資料
- 血糖値(e-ヘルスネット・厚生労働省): https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-085.html
- アルコールとメタボリックシンドローム(e-ヘルスネット・厚生労働省): https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-005.html
- γ-GT(e-ヘルスネット・厚生労働省): https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-076.html
- Fasting is not routinely required for determination of a lipid profile(European Atherosclerosis Society / EFLM joint consensus statement): https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27122601/


