懸垂のバーで手のひらが痛い時|握る位置と皮膚のずれから見直す
懸垂で手のひらが痛い時は、握力を鍛える前に、バーを当てている位置を見ます。皮膚がバーと指の間で折りたたまれていることが多いためです。
見直しの目安
ぶら下がった瞬間に手のひらの皮がつねられる / 指の付け根にマメができては破れる / 背中より先に手が限界になる / バーを手のひらの真ん中で握っている
セルフチェック
バーを握った時、バーが当たっているのは手のひらの真ん中か、指の付け根のすぐ下か
今日の一歩
次の懸垂の日、バーを指の付け根寄りに当ててから握り、ぶら下がった時の皮膚のつっぱりを比べる
懸垂バーの表面には、滑り止めの細かい凹凸が刻まれています。握力を助けてくれるこの凹凸は、皮膚に対してはやすりにもなります。体重のすべてが、手のひらの狭い範囲の皮膚にかかる。痛みが出やすい条件がそろっています。
それでも、同じバーで平気な顔をしている人がいます。皮膚が特別に強いわけではなく、違うのはバーの当て方です。痛い人は、握った時に余った皮膚がバーと指の間に挟まり、ぶら下がった瞬間にそこが引っ張られています。
握り込みすぎて前腕が先に疲れる話は、懸垂で腕ばかり疲れる原因に書きました。皮膚が痛むのは、握力の問題とは別の話です。
まず結論
- 痛みの多くは、皮膚がバーと指の付け根の間で折りたたまれ、体重で引っ張られることで起きる
- バーは手のひらの真ん中ではなく、指の付け根寄りに当てる
- 飛びついて握らない。握ってから体重を預ける
- マメは厚く育てない。破れた日は休む
なぜ痛むのか
1. 手のひらの真ん中で握っている
バーを手のひらの中央に深く当てて握ると、指を曲げた時に、指の付け根の下の皮膚が余ってひだになります。ぶら下がると、バーは重さで指の方へ転がろうとし、そのひだを巻き込みます。つねられるような痛みの正体は、これです。
2. ぶら下がった瞬間に、バーが手の中で回る
飛びついて握ると、体重がかかった瞬間に手の中でバーがずれます。皮膚はバーに貼りついたまま、中の手だけが動く。摩擦の痛みと、マメのもとになります。
3. 厚くなったマメが引っかかる
マメそのものは、皮膚が自分を守ろうとした結果です。ただ、厚く盛り上がると段差になり、そこがバーに引っかかって、ある日まとめてめくれます。
握り方の見直し
1. バーを、指の付け根寄りに当てる
手を開き、指の付け根のすぐ下にバーを当ててから、指を巻きつけます。手のひらの真ん中にはバーが触れていないくらいで、ちょうどいい位置です。余る皮膚が減り、挟まれるものがなくなります。最初は浅く握っているようで不安になりますが、指はしっかり掛かっています。
2. 握ってから、体重を預ける
台や床に足を着いたまま握りを作り、そこからゆっくり足を離します。バーが手の中で回る余地がなくなります。
3. 汗と、滑り止め
汗で滑ると、滑った分だけ握り直すことになり、皮膚のずれが増えます。セットの前に手を拭く。ジムで許可されていれば、滑り止めの粉も助けになります。
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手の手入れ
1. マメを厚くしすぎない
入浴後の柔らかい時に、盛り上がった部分を専用のやすりなどで平らに整えます。目的は段差をなくすことで、削りすぎは逆効果です。
2. 破れた日は、その手でぶら下がらない
皮がめくれた状態で続けると、治りが遅れ、傷口から菌が入るおそれもあります。きれいに洗って保護し、赤く腫れる、膿むといった様子があれば皮膚科で診てもらってください。その間は、手を使わない脚や体幹の種目に切り替えます。
読み違えやすいポイント
- 痛みに耐えて皮膚を鍛える、が近道ではない。当て方が変わらなければ、同じ場所が破れ続ける
- グローブは痛みを減らしてくれるが、当てる位置のずれは残る。厚いものはバーを太くするのと同じで、握りにくくなることもある
- 強く握るほど安全、ではない。必要以上の握り込みは、前腕を先に疲れさせる
- 胸までバーを引けない悩みは別の話で、懸垂で胸までバーが引けない時の段階の作り方が合う
よくある質問
Q. グローブやパワーグリップは、使っていいですか?
A. 使って構いません。背中を鍛えることが目的なら、手の痛みで回数が減るより、道具を使って続ける方が理にかなっています。ただ、素手で正しい位置に当てられるようになっておくと、道具がない場面でも困りません。
Q. マメが破れたら、どうすればいいですか?
A. その日は中止し、洗って保護します。無理に皮をむしらないでください。痛みや赤みが強い時、治りが悪い時は、皮膚科で診てもらうのが確実です。
Q. バーの太さで、痛みは変わりますか?
A. 変わります。太いバーは指が回りきらず、手のひらで支える割合が増えるため、皮膚への負担も握力への負担も大きくなります。選べるなら、指がしっかり回る太さのバーから始めてください。
まとめ
- 手のひらの痛みは、余った皮膚がバーに巻き込まれて起きることが多い
- バーは指の付け根寄りに当て、握ってから体重を預ける
- マメは平らに保ち、破れた日はぶら下がらない
バーを握る前に一度手を開き、指の付け根に当ててから巻きつける手順を、アップの1セット目で試してみてください。
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参考文献・参考資料
- American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19204579/
- 身体活動・運動の推進(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html


