ダンベルフライで肩が痛い時|下ろす深さと肘の角度から見直す
ダンベルフライで肩の前が痛む時、原因の多くは重さではなく、下ろしすぎと肘の伸ばしすぎにあります。先に肘の曲がりを決め、その角度を保ったまま、痛まない深さで止めます。
見直しの目安
下ろした一番下で肩の前がつっぱる / 終わった後に肩の前だけが重い / ベンチプレスは平気なのにフライだけ痛い / 重さを下げても同じ所が痛む
セルフチェック
一番下で肘がどこまで伸びているか、横から見たことがあるか
今日の一歩
次のフライは、肘の曲がりを決めてから、下ろす深さをひと段階浅くする
ベンチプレスを終えて、ダンベルに持ち替える。最初の1回を下ろしていくと、胸が伸びる手応えより先に、肩の前に引っかかる感じが出ます。重さはベンチプレスよりずっと軽いはずなのに、さっきまで出なかった痛みが、フライになると顔を出す。セットを重ねるほど、下ろす手前で体が勝手にブレーキをかけ始めます。
この記事で見るのは、フライで肩の前や横が痛む時のフォームです。ベンチプレスで肩が前に詰まる話はベンチプレスで肩が前に詰まりやすい人は下ろし方だけ見ないに、胸より腕に効いてしまう時の見直しはベンチプレスで胸より腕に効く時に置いてあります。鋭い痛み、夜に痛んで眠れない、腕が上がらない、といった時はフォームの問題ではないので、整形外科で診てもらってください。痛む場所が同じでも、原因は下ろす深さと肘の角度のどちらか、または両方にあります。
まず結論
- フライの肩の痛みは、重さより「下ろしすぎ」と「肘の伸ばしすぎ」で起きる
- 先に肘の曲がりを決め、最初から最後まで変えない
- 下ろす深さは、肩のラインより浅い所から始め、痛まない範囲で少しずつ広げる
- 軽い重量で横から動画を撮り、一番下で肘の角度が変わっていないかを見る
痛む場面で切り分ける
1. 一番下で痛む
腕を開ききった位置で肩の前がつっぱる、鋭く引っかかる。これは深さの問題です。腕が体の横まで下りると、肩の前側は引き伸ばされ、ダンベルの重さは関節を前へ押し出す向きにかかります。胸のストレッチ感と肩の痛みは紙一重で、痛みが出る深さは人によって違います。
2. 下ろし始めから痛む
上の方から既に肩が重い、下ろすほど増していく。この場合は肘が伸びすぎています。肘を伸ばすほど腕は長いてこになり、同じダンベルでも肩にかかる負担は増える。軽い重量なのに肩がつらい人は、まずここを疑います。
3. 上げきった後に痛む
ダンベルを胸の上で合わせた時に、肩がすくんで耳に近づいている。胸郭が落ちて、肩の土台が崩れている形です。これはフライ固有の問題ではなく、押す種目全般の土台の話なので、ベンチプレスで肩が前に詰まりやすい人は下ろし方だけ見ないの内容がそのまま当てはまります。
肘の角度を先に決める
1. 軽く曲げた角度を、最初から最後まで保つ
肘は「少し曲げる」ではなく、「この角度で固定する」と決めます。目安は、ダンベルを胸の上で合わせた時に、肘の内側に軽いゆとりがある程度。その角度のまま、腕全体を弧を描くように下ろし、同じ弧で戻します。下ろす途中で肘が開いていくのが、見落としやすい崩れ方です。
2. 伸ばすほど、肩に乗る重さは増える
肘を曲げると腕が短くなり、ダンベルが肩に近づきます。それだけで、肩にかかる負担は目に見えて軽くなる。胸への刺激が減るように感じるかもしれませんが、痛みで途中で止まるフォームより、最後まで動かせるフォームの方が、胸には届きます。
3. 手のひらの向きを保つ
手のひら同士が向かい合う持ち方で始め、下ろす途中で手のひらが天井を向かないようにします。手のひらが上を向くほど、肩は外にねじれ、前側の負担が増えます。
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下ろす深さを決める
1. 肩のラインより深く下ろさない所から始める
横から見て、ダンベルを持つ手が肩の高さに来たら止めます。ここで痛みが出ないことを確かめてから、次のセットで指1本分だけ深くする。深さは「効く所まで」ではなく、「痛まない所まで」で決めます。
2. 可動域は、痛まない範囲で少しずつ
一度決めた深さを数週間続け、痛みが出なければ少し広げる。この繰り返しで、使える可動域はゆっくり広がります。広げるたびに重量も増やすと、どちらが原因で痛んだのか分からなくなるので、片方ずつ動かします。
3. ベンチの角度で、痛む深さは変わる
インクラインにすると、同じ深さでも肩の前側にかかる向きが変わり、痛む人も、楽になる人もいます。フラットで痛むなら角度を変えて試す。ただし角度を変えたら、深さはまた浅い所から決め直します。
確かめ方
軽い重量で数回行い、横から動画を撮ります。見るのは2点。一番下で肘の角度が、上の方と同じか。一番下の手の高さが、肩のラインより下に落ちていないか。どちらか一方でも崩れていれば、重さではなくフォームの問題です。
筋トレによるけがをまとめた総説では、報告されたけがのうち最大で3割強が肩まわりに集中し、外側の要因としてフォームへの注意不足が挙げられています。フライで肩が痛む人を直接調べた研究は見当たらないため、ここに書いた深さと肘角度の見直しは、現場で痛みが消えた例に基づく手順です。数値の基準ではなく、自分の痛まない位置を見つける手順として使ってください。
読み違えやすいポイント
- 深く下ろすほど胸がストレッチされて効く、は痛みがある時には当てはめない。痛みで止まる可動域は、結局使えていない
- 肩甲骨を強く寄せれば肩は守られる、とは限らない。寄せすぎて胸郭が固まると、肩の動く余地がなくなる
- マシンやケーブルに替えれば必ず痛くない、ではない。肘が伸びきる軌道なら、道具が変わっても同じ所が痛む
よくある質問
Q. ダンベルフライとベンチプレス、肩にはどちらが負担が大きいですか?
A. 条件次第なので、一概には言えません。フライは腕が長いてこになる分、同じ重さなら肩にかかる負担が増えやすい一方、ベンチプレスは重量そのものが大きい。両者の肩への負担を直接比べた研究は見つけていません。自分の体で、痛みが出る種目と出ない種目を記録しておく方が、答えに近づけます。
Q. 肩が痛い時は、フライをやめた方がいいですか?
A. 痛みが出る深さと角度を避けて行えるなら、やめる必要はありません。肘の角度を固定し、深さを浅くしても痛むなら、しばらく外して、押す種目だけに絞ります。鋭い痛みや夜の痛みがあれば、種目の選択より先に受診してください。
Q. インクラインとフラットでは、どちらが肩にやさしいですか?
A. 人によって逆になります。角度が変わると肩の前側にかかる向きが変わるため、フラットで痛む人がインクラインで楽になることも、その反対もあります。どちらかに決めるより、軽い重量で両方を試し、痛まない方から始めてください。
まとめ
- フライの肩の痛みは、下ろしすぎと肘の伸ばしすぎで起きる
- 肘の角度を先に決めて固定し、深さは肩のラインより浅い所から
- 横からの動画で、一番下の肘の角度と手の高さを見る
次のフライの1回目は、ダンベルを持つ前に肘の角度を決め、その角度のまま下ろしてください。
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参考文献・参考資料
- Shoulder injuries attributed to resistance training: a brief review: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20508476/
- 身体活動・運動の推進(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html


