寒くなると歩き方が縮こまる|腕振りと上半身をゆるめて歩く

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寒くなると歩き方が縮こまるのは、脚より先に、肩と腕が固まるためです。歩幅を広げようとするより、腕振りと上半身をゆるめる方が先になります。

見直しの目安

寒い日は手をポケットに入れて歩いている / 駅に着くと首と肩がこわばっている / 厚着の日は体をひねっている感じがない / 速足なのに、歩いた後の疲れ方が重い

セルフチェック

外を歩いている時、肘は体の後ろまで引けているか

今日の一歩

次に外を歩く時、手袋をして手をポケットから出し、肩を一度上げて落としてから歩き出す

上着の襟を立てる朝が増えると、駅までの道の景色が少し変わります。肩を上げ、手をポケットに入れ、うつむきがちに急ぐ人の列。自分も同じ格好で歩いていることには、なかなか気づきません。

寒い時期は歩き方が小さくなる、と感じる人は多いようです。ところが、歩行を計測した研究を見ると話は少し違い、気温の低い季節の方が、歩く速さやテンポは高かったと報告されています。脚は、むしろ急いでいる。

縮こまっているのは、脚よりも先に、肩と腕の方です。ふくらはぎの疲れと歩幅の関係は歩くとふくらはぎばかり疲れる理由に、左右の揺れと足の運びは歩くと上半身が左右に揺れる時に譲ります。

まず結論

  • 寒い日に固まるのは、肩、腕、胴体のひねり。脚の方は、冬の方が速く動いていたという計測の報告がある
  • 腕が振れないと、脚だけで進む歩き方になり、歩いた後の首や肩のこわばりにつながりやすい
  • 戻すのは腕振りと上半身から。歩幅は、その結果として変わるものとして扱う
  • 薄着で耐える話ではない。首と手を温めた方が、肩は下ろしやすい

寒い日の歩き方に起きていること

1. 肩をすくめ、首を縮める

冷たい風が首すじに当たると、肩は反射のように上がります。上がった肩は、建物に入ってもすぐには下りません。すくむ癖そのものへの気づき方は、肩がすくむ癖に気づく方法で場面ごとに挙げました。

2. 手をポケットに入れ、腕を体に寄せる

手をポケットに入れると、腕振りはほぼ止まります。入れていなくても、脇を締めて腕を体に押しつけていれば同じこと。肘が体の後ろへ引かれなくなり、肩から先が一本の棒のように固まります。

3. 厚着とかばんで、胴体のひねりが減る

歩く時、胸と骨盤はわずかに逆方向へ回っています。厚い上着を重ね、片方の肩にかばんを固定すると、この小さなひねりが出にくくなる。冬になると、歩く姿が「上半身ごと運んでいる」形に変わる方を、現場でよく見かけます。

4. 脚は、速足になっている

日本で行われた、スマートフォンの位置情報を使った長期の計測では、夏より冬の方が、歩く速さとテンポが高かったことが報告されています。高齢の方を半年おきに測った小規模な研究でも、速さ、テンポ、歩幅はいずれも冬の方が大きい結果でした。寒さで歩幅が縮む、とは言えないわけです。寒さや厚着が腕振りをどう変えるかを直接調べた研究は見当たらず、上の1〜3は現場で見てきたことにとどまります。歩数は保てているのに体重が動きにくい場合は、歩数は増やしているのに痩せにくい理由で整理しています。

腕が振れないと何が変わるか

腕振りは、歩行に組み込まれた動きの一部であり、歩く時のエネルギーの消費を抑える役割があると考えられている。歩行の研究をまとめた総説では、こう整理されています。

腕が止まったまま速足になると、上半身は固めたまま、脚だけを急がせる歩き方になります。同じ道を歩いても、着いた時の首や肩の重さが違う。冬の通勤で疲れ方が変わったと感じるなら、見直すのは脚ではなく腕の方です。

姿勢や動きのクセは自分では気づきにくいものです。クセを一緒に確認しながら整えていく進め方はサービス内容にまとめています。

歩き出す前と、歩きながらできること

1. 玄関を出る前に、肩を一度上げて落とす

肩をわざと耳の方へ持ち上げてから、吐く息に合わせて力を抜きます。寒さで上がる前の位置を、体に一度教えておく作業です。

2. 手袋をして、手をポケットから出す

手が冷たいままでは、ポケットから出せません。手袋とマフラーは、防寒のためだけでなく、腕と肩を自由にするための道具でもあります。

3. 肘を後ろへ引く意識だけを足す

大きく振ろうとすると、肩に力が入ります。足すのは、肘を体の後ろへ軽く引く意識だけ。前へは勝手に戻ってきます。

4. かばんを片側に固定しない

肩掛けのかばんは、信号待ちのたびに左右を替えます。両手が空くリュックは腕を振りやすい反面、肩ひもが短いと肩を上げたまま固めやすいので、長さを見直してください。

読み違えやすいポイント

  • 歩幅を広げようとしない。上半身が固まったまま脚だけを大きく出すと、着地が強くなりやすい。腕と胴体が動けば、歩幅は結果として変わる
  • 寒さに耐えて薄着で歩く、という話ではない。冷えたままでは、肩は下りない
  • 速足そのものは悪くない。見直すのは速さではなく、上半身を固めたままの速足

よくある質問

Q. マフラーやネックウォーマーで首を温めると、変わりますか?

A. 首すじに風が当たらなくなると、肩を上げて首を守る必要が減ります。それだけで肩が下りる方もいます。ただ、上げる癖がついている場合は、温めても上がったままのことも。出かける前に一度上げて落とす動きと組み合わせてください。

Q. リュックと手提げでは、どちらがいいですか?

A. 腕振りの面では、両手が空くリュックが有利です。手提げや肩掛けを使う日は、持つ側をこまめに替えます。どちらの場合も、重さで肩が上がっていないかを、歩き出して少ししてから見直してください。

Q. 寒い朝に首や肩がこるのは、歩き方のせいですか?

A. 歩き方だけが原因とは言えません。冷え、睡眠、机での姿勢など、重なっているものは人それぞれです。歩いている間ずっと肩が上がっているなら、こりを強める材料の1つにはなります。整え方は首肩の力みが抜けない人のアプローチにあります。

まとめ

  • 寒い日に縮こまるのは、脚より先に上半身。計測では、冬の方が速足だったという報告がある
  • ポケット、厚着、片側のかばんで、腕振りとひねりが減る
  • 肩を落とし、手を出し、肘を後ろへ引く。歩幅は追いかけない

玄関を出て最初の信号までの間だけ、手をポケットから出し、肘を後ろへ引いて歩いてください。

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参考文献・参考資料

しょーへい

この記事の著者

姿勢・動作・身体の使い方から整えるパーソナルトレーナー。
筋トレ・ボディメイク・コンディショニング・栄養を中心に、無理なく続けやすい身体づくりの情報を発信しています。